ハシグチカンジの枝葉末節

某ブランドの京都アトリエショップに大体いるメガネです、以前は御所南Dewey&二条木屋町UNITでした。

チノクロススーツは武士道?

こんばんは。

暑いです、気温が高い日が続きますね。そうなると、自ずとDeweyの窓が力を発揮します、昨日今日と夕方まで半袖1枚。個人的には嬉しい事ですが、秋冬シーズン的にはどうなのでしょう。夏もエアコン効くのかどうなのか、ちょっと不安ではあります笑。

 

そんな窓辺でお送りしております当ブログ、そろそろ商品の話でもと思いまして、、最初にお話しするモノなので、やはりDeweyの看板商品から参りたいと思います。

 

 

 

 

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Pt.Alfred CHINO CLOTH SUITS

PT.Alfred棚の一番奥が定位置になっております、というのはコレ、ボクのなので。

どうせ殆どお店にいるし問題無し、更に使い続けるとこんな感じになるよ〜というのもみていただけますし、欠品中のサンプル代わりにもなります(そんな場合でも、生産中じゃない限りは2日以内にご用意できますよ)。

 

その前に、先ずはPt.Alfredの"チノ"についてお話しします。

ボクは過去デニムのメーカー2社に在籍しておりました、ちょっとその辺が好きな方なら必ずご存知のブランド。その薫陶を受けで育っておりますので(磨かれてるかどうかは別の話)、それなりにデニムに対する自負というか依存というか、そういうモノもあります。イブサンローランに"私がブルージーンズを発明したかった"なんて言わしめたデニム、そのの存在というのは他に変え難い素晴らしさがあります。

 

 

 

 

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因みにDeweyのミシンの頭上、おそらくボクが二十歳前後くらいに手に入れたデニムをお守り代わりに吊ってます。ビンテージと言っても良いのだと思うのですが、リーバイスでもリーでもラングラーでもなく、J.C.PENNYという、当時ストア系なんて言ったブランド。この頃から好みがセンターからズレてますね笑。JKTはラングラー調・パンツはリー的な面持ち、おそらく50後半〜60年代のもので、素材感・色落ちが良い。パンツは"片耳"といわれる仕様で、片方はセルビッヂ・もう片方はオーバーロック、量販店だからこその工夫がみられます。

とまあ、ストア系の蘊蓄をつらつら並べるのが目的ではなく、、デニムの話。

30半ばくらいまでは、デニムが最も万能な素材、厳密に言えばパンツ用の生地としてはダントツで万能だと考えてました。

そしてそれくらいからお師匠のPt.Alfredの取り扱いを始めるのですが、じわじわと「ん?ひょっとして??」と思うようになりました。

というのに気付いた原因は自転車。その頃はいてたジーパンと言えば長い付き合いのモノばかりで、久々にワンウォッシュを手に入れて意気揚々とはいてたのですが、、早い段階で他のインディゴはそのままにお尻の割れ目付近だけ白くなってしまい、こんなお尻のおっさんはなんかイヤやん…となり笑、すぐに同じものを買い足して、自転車の時以外にはくようになりました。

そこではたと考えたワケです。

ワンウォッシュデニムに限らず、濃い色のパンツはお尻だけ白くなったりテカテカしたりする、コーディロイなんて如実です。じゃあ、自転車用にオーバーショートパンツとか作ったら?いや面倒だし訳わからんし笑。

そこで当たり前のことに気付きます、ベージュのチノならその心配がかなりへるじゃないの、と。そして元来チノーズというものはミリタリーウェア、耐久性の高いパンツです。変な色落ちの心配がなく・耐久性が高くて・汎用性バッチリ、なんだ、チノって良いじゃないのよ!笑。

デニムメーカーは当たり前のようにチノパンも作っており、当たり前のように売っていましたが、しっかりそれをお考えたことがなかった。そして当たり前にはいてました、大反省しました。

 

そしてPt.Alfred。

 

 

 

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"チノパン"と言えばアーミーパンツデザインが基本です、無論Pt.Alfredに於いても同じ。脇がガチッと巻縫いで、ステッチが効いてパッカリングもパキッと、雰囲気的にはワーク&ミリタリーの遺伝子はしっかり。この写真はPt.Alfred 3rd ARMY PANTSです、格好良いです。コレは比較的細いタイプ(かと言って細すぎる訳ではない)、コレが3rdなので1st(太い)も2nd(中くらい)ももちろんあります。

Pt.Alfredのチノは本当に頼れる存在、独特の弾力性のある素材で、はく程に身体に馴染んでくれますし、もちろん耐久性が高い。

 

そして本題のチノクロススーツ。

 

 

 

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JKTはもちろんなのですが、ドレスのディティールでチノパンを作っているからこそ、しっかりスーツとして成り立つのですよね。

ドレスタイプも太い方・2プリーツの中くらい・細めと3パターンあります。

 

"チノクロススーツ"というのはアイビールックのアイテムとしても代表的な存在。昔はチノクロス自体をベージュでしか作っておりませんでしたので、スーツももちろんベージュのみ。アイビーをリアルタイムで体験した大先輩のお客様は「昔からあるベージュ、ネイビーは眼中に無し!」なんて硬派なご意見も。コレは文句をつけているのではなく、かっこいいし羨ましいなあと。やはりクロージングが身体に染み込んでる方はベージュを選ぶ傾向にあります。

とは言え、現代は他の色も作るようになったわけですから、やはりスーツの王道ネイビーも。かく言うボクもタイドアップの時はネイビーの登場回数が多いです。シャツを着ない時はベージュの出番が増えます。

 

 

 

 

 

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と言うことで、ニットやカットソーをインナーにした場合はこんな感じ。

 

 

 

 

 

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さらに靴をスニーカーにして、もうちょっとラフに仕上げるとこんな具合。

カジュアルのスーツ、使い慣れると本当に便利です。大人の"らしさ"もしっかりありますし、コーディネイトに迷うことも減ります、コレを気とけばなんとかなるとも言えなくもない笑。昨今のカジュアルスーツはストレッチやジャージ素材が主流になってきてますが、やはり着続けるとハリコシがなくなっていき、やつれていくのは否めない。その点チノのスーツはエイジングと言って良い表情の変化も楽しめ、洗えばシャキッと清潔感もキープできます。

 

 

 

 

 

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そしてタイドアップ。コレはインスタグラムでのコメントにも書きましたが、少々乱暴に言えばネイビーのモノトーンにすれば大体様になります。ボクはブルーのシャツにネイビーの無地タイというパターンが鉄板ですが、

 

 

 

 

 

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例えばお客様Mさん。友地のPt.Alfredの蝶タイにモンクストラップの靴、こういう感じだとさらに洒落感が増します。

こんな感じで、タイドアップにするとそこそこドレッシーな方向に振れます。カジュアルスーツなのに中々の表情を作ってくれるのです。トライアングルの作り方で色んな調整が可能、コレは本当に有難い。好感度を下げない、軽さがありつつ上品さをキープしてくれる本当に優秀な存在です。

 

そして本題、というか表題の"チノクロススーツは武士道?"というボクの気分。コレはネイビーに絞ってしまう言い回しになりますが、"紺は勝ち色"などと申しまして、武士の使う代表的な色でした、また藍染は耐久性や殺菌効果もあるので、剣道着や作務衣など、昔のスポーツウェア的存在にも選ばれた色。そもそもスーツ自体のルーツが乗馬用の軍服という騎士の運動着ですので、似通ったルーツとも言えます。

そして時代劇の相関図的にもよくある、チャラい侍はチャラい着物で派手な刀、好感度の高い侍は地味で清潔感のある着物、刀も黒い柄巻に呂色の鞘。

実際にもいわれていたそうですが、普段ボロをきていても、いざという時に古くてもさっぱり洗った裃を用意できるのが武士の心得だということだったそうで。

 

そうやって長く付き合って、洗い晒していってもキリッとした表情を見せてくれる、男らしい装い。まさにそれこそチノクロススーツなのでは?とDeweyのボサボサ頭は考えております。

 

なんか、持ってる(用意にある)こと自体が格好良いと思うんですよね。

 

だからこその看板商品。

皆さんも是非心得としてお持ちくださいませ笑。

 

それではまた次回。