Deweyカンジの枝葉末節

御所南のDeweyです。こちらでは脳内にある、お店フィルターにかける前のお話をしようと思います。

チノパンとは? 2021年のDewey的見解、というか思い。

こんばんは。

書き始めると連投するカンジです、しかも本日長文が予想されます、明日の臨時早仕舞いの分と思ってください笑。

 

最近のDeweyのインスタ等をご覧いただくとわかると思うのですが、インディゴウエポン2プリーツパンツをオススメする事が多いです。

ウエポンとはウエストポイントの略で、1800年初頭からあるニューヨークのウェストポイント陸軍士官学校を指します。このエリート養成校の制服用の素材として双糸(生地を織るときに糸を2本並べる)づかいでより丈夫に・光沢を出して高級感が現れるように作られたチノ素材、これを通称ウェポンと呼ぶようになりました。

通常のチノとの違いといえば、、、なんか格好良く見える・・・かな笑。19か20の頃に初めてウェポンに触れた時は、なんかヌメっとして凄そう、そういう感覚でした。アメリカのざっくりしたブランドさんのチノは、なんとなくサクっとドライで分かりやすい空気感を帯びてましたが、軍モノ復刻ブランドのウェポンは、なんだかそんな感じでした。

真面目な話をすれば、双糸づかいですので、通常の堅牢度をキープしつつ薄く仕上げられる、細い糸ですのでより高密度ということもいえます。また2本並ぶことによって反射角が増えるので光沢感がアップ、サテンと同じシステムですね。そう、サテンのピカピカが化繊とか加工だと思ってた、なんて話にもたまになるのですが、綿です。Tシャツやデニムやチノと同じ綿、あれは反射で光って見える織り方なのです。表をピカピカにするから、その分裏にツケが回ります。と言うことでバックサテンといわれるファティーグパンツの定番生地って、あんな具合のサクサクっとした生地感なのです。

そのウエストポイントの織り方で経糸にインディゴを配したのがインディゴウェポン。ちなみにタテ糸ヨコ糸を漢字で表記すると経糸緯糸、合理的な表現ですね、縦と横だと主観で90°入れ替わる、経緯だと間違わないですもんね。

 

 

 

f:id:bridge_middle_works:20210410180539j:plain

と言うことでインディゴウェポン2プリーツパンツ、この存在はボクにとってはとても親近感の湧く存在なのです、だから猛プッシュ。

前述のウェポンの原体験、正直いえばそれほど心に響いておりませんでした。もっと正直にいえば、、、え、おっさん臭いやん、くらいに思ってました。

 

もう、、、ブランド名を伏せたりするのが面倒なので、もう赤裸々に行きます。

 

当時ボクが在籍しておりました今は亡き綿綿堂というセレクトショップ、海外ブランドと共にビンテージレプリカをドカンと揃えておりました。シュガーケーン、フルカウント、エビス、ステューディオ・ダルチザン、オムニゴッド、ゴーウェスト、FOB、トゥームーン、それに現ローズバッドのレミニッセンス(浜ちゃんが当時ずっと着てたスウェットが代表)。

そんな店にいたボクですが、それと同様にストリートの皆とも仲が良かった。stussy始め、当時の裏原系界隈のブランド。その中でも好きだったのが千壽公久氏のSWIPE ON THE QUIETというブランド、スワイプが好きというよりも千壽氏に憧れました。今でも年に数回、当時の切り抜きをおさらいします笑。

 

f:id:bridge_middle_works:20210410180724j:plain 手元になかったので拾い画像、、この方です。そういえば、数日前に5月発売のMeetsの撮影がありまして(裏ブログなので言っちゃいますが、ボクで4ページです、画がもつのか、、笑笑)、撮影担当で関西ファッションカメラマンのボスで20年来の兄貴分のマサオ氏に、「そういやカンちゃん千寿系やったよな笑」と言われました、久々にファインダー越しのボクを見て思い出したのでしょう笑。当時千壽氏に憧れ真似する若者をそうカテゴライズしてました、確かに千寿系京都代表枠でした笑。

千寿系になったきっかけは、ELTというショップスタッフ時代の千壽さんの雑誌の写真、トラッカーシャツにボロボロのビンテージペインターパンツとエアウォークのデザートというスタイリング。求めていたのはコレ!!となりました。もう、まんまこの格好をしてました笑。当時から501のビンテージなんかにはさほど興味がなく、ペインターやブッシュパンツばかり選んでました、古着買うのもズレたデニムばかり。インディゴ大好きでしたが、それをそのままではなく料理の具材として、でも味付け濃すぎないように、そんな感じが好きでした。綿綿堂閉鎖後、FULLCOUNTに引っ張ってもらうのですが、その段階で社長に話す時、「フルカウントの商品、定番の5ポケは持ってなくて、いつもペインターとビッグEタイプのグレーをはいてます。」と満面の笑みで言ってしまったことを覚えてます笑。そういえば社長にも千寿系って言われたような。。。

入社後も、企画会議で硫化染料のバックサテンの企画ばっかり挙げてました、全部デニムワークパンツとのコーディネイト、もしくはカバーオールに合わせるボトム。同時の同僚と久々に会ったときに5ポケデニムをはいてると珍しがられます。

その後、ポールスミスのサポートをしてたMさんに引っ張られ、キャピタルに入社します。そこでようやく5ポケデニムをはくという当たり前に気づきます笑。多分これは反動で、デニム生産のスペシャリストの会社に入ったら、王道ではなくオートクチュール的発想をデニムで体現する、そんなな現在のキャピタルのスタート期で、待て!ボクが王道を守る!!という訳のわからない正義感に駆られたのだと思います、わけわからん。。。

しかしながらデニムを代表する2社で学べたことは多かったですし、Dewey a.k.a UNITがパンツを得意とする基礎になっていることは間違いありません、男はパンツです。

付け足しで、、その後ウィメンズメインでメンズもアリのセレクトショップを預かる事になりました。マッキントッシュのコートにスメドレーのニットでオニールの巻スカートとパンプス&ブーツ、そんな女性アイテムと共に、JKT+デニム+レザーシューズの男性、クラシコのスーツを扱ったりもしてました。ストリート・トラッド・デニム・古着、それなりに通過してきましたので、それなりにボクの洋服屋としての話を信用していただけますでしょうか笑。

 

かなり脱線しましたが、、、こんな具合でデニムとお付き合いしてきたので、インディゴを使いつつ・ガチガチのデニムではない素材で・トラウザー型のパンツ、という3拍子揃ったインディゴウェポン2プリーツはボクの快適なポイントなのです。今お話した頃よりも大人になってますので、スラックススタイルを実感出来てるというのも一因。

 

そうなると、、、やはりこの商品の元となる"チノ"についてまた考えるわけです、Deweyの根幹でもあります。先日松阪でチノスーツのポップアップをしながら、チノについてまた新鮮さを得ました。いつもの場所じゃない空間で定番について話すと、客観的に復習できるでしょ。

 

デニムはざっくりいうと、イタリアの漁師発祥でアメリカの全種類の労働者が育ての親。

 

チノはというと、、、インドでイギリス軍が考案→インド駐留軍用に大量に作ったモノが中国に流出→米西(アメリカvsスペイン)戦争に勝った米軍がフィリピン割譲に際し、駐留軍用にそれを大量購入→第一次大戦あたりから米軍の主流の服に

という流れですね。中国は英語でチャイナですが、スペイン語でチノ。米軍が買い上げる段階で"チノのパンツ"と呼称するのが当たり前になっていた、そういうふんわりしたいきさつでチノパンが誕生。

 

アメリカ衣料の代名詞的なデニム&チノ、どちらもオリジンはヨーロッパなのです、実は。まあ、アメリカの国家の成り立ちに近いニュアンスと考えると納得ですね。日本以上に当時のアメリカはアレンジ力があったのかも知れません。アメトラやアイビーなんて、まさにアメリカンアレンジですもんね、ボクはそのアメトラをDewey流に解釈して皆さんにお伝えしようとしてるワケですし、実際アイビーリーガーはデニムよりチノを多様してました。コッポラ監督のアウトサイダーはまさにそれですね、チノをはいた上流階級の若者グループ"ソーサー"と、デニムをはいた学校にいけない労働者階級の子供たち"グリーサー"の確執を軸に展開される青春群像劇。若い頃はデニムをはいたマット・ディロン一択でしたが、今見ると両方の若者の応援をしたくなる笑。最近の映画ならプレッピー・コネクションですね、アマゾンプライムでも見られます。貧乏な家の男の子が寄宿制名門高に入学して、ドラックの売人として受け入れられて破滅するストーリ。B.Dとチノをはいた同級生とGジャンを着た幼馴染の対比。

そうやって、戦後のアメリカを描く上でチノとデニムは外せない存在でした。なんか、、こうやって書くとDeweyの主力のチノとB.Dシャツがなんだか嫌味っぽく感じられます、、、失敗笑。

でも、こういう意味合いでの棲み分けは日本には輸入されないので一安心笑。シンプルにどちらにも憧れがあって、紺ブレとB.Dとチノは上質なカジュアル、デニムは親和性の高いカジュアルとして培われてきました。

そのイメージは以前より変わらないワケなのですが、この10数年デニムとの関係性がメーカー時代よりも客観的に見られるようになり、UNITを始めてチノを再確認、Deweyになってメインとなりました。その中で最も印象が変わったのは、ファッション的なアプローチよりも耐久性という部分でした。考えてみれば当たり前ですよね、軍隊で使うんですもんね。個人的な感覚で言えば、破れとかほどけとかではなく色落ちの気遣いの仕方、コレがデニムと違いました。

チノの色落ちって意識します?、多分しない人が殆どです。多分"色落ち"というよりも"色褪せ"というほうがしっくりくるかもしれません。でも、コレは敢えて"落ち"と言いたくなる。デニムの醍醐味である"タテ落ち"あれはデニムをはいて労働をしなければ、結構気を使わなければいけません。そんな小さなことは気にしないという方ならもちろんOKなのですが、膝だけ白くなったり、財布のとこだけ破れたり。その中でも一番嫌なのがお尻、坐骨から内側にかけてが白くなりやすい、自転車乗るとさらに加速。他の濃いめの染料でも同様の心配はあるのですが、デニムは特に顕著、素直笑。昔のぼくはある程度色落ちするまで自転車に乗る時ははかなかった。それでデニム自体から距離を置くことも無きにしも非ず。

チノの場合、特にカーキ(ベージュ)系はその心配は皆無、濃いものもそれなりに問題ありません、おそらくこれはPt.Alfredの採用しているスーパーチノの、生地自体の耐久性と染料の定着・相性が良いというのも言えるかもしれません。

 

f:id:bridge_middle_works:20210410175833j:plain

ちなみにこのチャコール、約6年モノと最近はき始めたモノ。古い方の均一な色落ちが綺麗でしょ?、お尻だけ白くなることもなく健康体。因みに古い方は1st ARMY、新しい方がドレスの2プリーツです。個人的にはこの2プリーツが最近の気分、テーパードの具合がキレイです。そしてデニムと同様に楽しめるのがステッチのパッカリング(凸凹)です。

 

f:id:bridge_middle_works:20210410175859j:plain

こっちはわかりやすくベージュにしてみました、3rd ARMYです。デニムにはない道具感というか、こっそり主張のある感じが奥床しくて素敵。多分この感覚はバーバリークロスに代表される、トレンチコートのエイジングに近いと思います。デニムのような個体差のある一発勝負感ではなく、規則正しくエイジングが成されてるような、まさにサープラスの魅力を支える部分だと思います。

 

 

f:id:bridge_middle_works:20210410180236j:plain

そしてチノクロスのセットアップ、これも懐が深い。このセットアップの存在って、人それぞれでベクトルが多種多様なんです。

普段バッチリとスーツを着てる方からすると、カジュアルで気楽なセットアップ。逆に普段Tシャツとパーカで過ごせる人にとっては、ちょっと真面目な時に使える着やすいスーツ。ノータイだけどジーパンまではゆるく出来ない、そんな職種の人には仕事着として信頼できるポジション。VANを体感した世代の先輩方からすれば、そうそうコレコレ!という気分でしょうね。

そしてチノクロスの特性で、エジングという考え方で付き合う時間も長くなる。10年着込んだよ、、、なんて場合も、2軍の4番打者くらいの感覚で使えると思います。逆にそこまで着込んだJKTをオリーブのカーゴパンツに合わせて黒のUチップでも履けば、若者には出せない格好良さだったり。ボク自身、今着てるネイビーのセットアップはかれこれ7年くらいの付き合いになると思うのですが、洗って(家の洗濯機で)生地目が整った時の表情を見ると、毎回愛着が増します。お買い上げの際に新品を着た皆様を羨ましくも思うのですが、自分の形になったJKTというものは中々の戦友感があります。"自分の形"と言いましたが、着込んで自分の形にする上着ってデニムが主になるワケですが、やはりここもしっかりカジュアルになってしまう。近い感覚だとレザーJKTかもしれませんが、コレはまた別の対比。チノJKTの場合だと、大人らしさというか、矜持を保ったままそれを作ることが出来る。コレは完全な私感ですが、スーツも元々馬乗りの軍服からのスタート、チノは言わずもがな、どちらもミリタリーの機能服として培ってきた下地が絶妙にダッグを組んでいる、そういうことなんだと思います。

雑という切り口が微塵もなく、でも手軽、かといって緩みすぎない、でも楽。そんなポジションの素材や洋服って、やはりチノが頭一つ抜きん出ていると思います。

 

そして。Deweyのラインナップを考える際、ボクの中で密かにイメージしていることがあります、それは"制服と道具"。制服って機能美ですよね、機能美って全てに理由があって、無駄な贅肉を持ち込んで無いので格好良い。また制服は同じものを皆が着ていても、それぞれの体型や役回りや年月でその人に沿ったモノに仕上がる。

そして洋服の文化的立場、洋服はファッションとしてイケてるかどうか、またちょっと前の流行りだとノームコアのようにファッションの持つ過食性と対局に立つか。またはコレクションブランドの豪奢なモノであるのか、パンクのようにボロい服でアウトサイドに立つか。そして当たり前の話ですが、流行に乗るかそるか。

こういうのも、中庸の立場があって良いのだと思います。中庸だから目立たない普通のおじさんというわけではなく、身だしなみに気遣いのある大人。ベーシックなモノを着てるけど、サイズチョイスやパンツの裾のニュアンス、袖の折り方や小物の配置、そういう気遣いが内面性と混ざり合って、その人のパーソナリティが反映される。

そして道具感。コレはやはり長く付き合うには、洋服自体の普遍性と確立が成されていないとならないわけで、物自体がしっかりしていないと任せられない。この前も言いましたが、消耗品のTシャツも、同じモノを買い続けられるという存在の確立。

 

こういう面倒臭いボクの話に、はいはい分かったから〜と付き合ってくれるのがチノなのです笑。

まあここまで長々と言ってきましたが、、

 

"一見普通だけど、なんか違う。"

 

そういう大人が格好良い。その基礎の部分としてチノが最適、そう思うのがDeweyです。一行で済む話かもしれませんが、一行にはコレくらいの気持ちが込められるということです笑。

 

いや〜、コレくらいの熱量で書けば、たまにはお師匠が喜んでくれるでしょう笑。なんて強がりを入れないと恥ずかしいのですが笑、コレくらいのことを日々考えながら洋服を触っております。

なので、いつでも相談してくださいね。一応男の建前として、「なんでもいいですよ〜、適当に着たら。」と言いますが、後からいっぱい言いますので。2021年の見解なんてタイトルにしましたが、これずっと思ってますよね多分。

 

あ〜、面倒臭い店。でも面倒臭いボクのブログを最後まで読んでしまう人は、責任とってくださいね、チノパンと共に笑。

 

ということで、また次回です。