ハシグチカンジの枝葉末節

某ブランドの京都アトリエショップに大体いるメガネです、以前は御所南Dewey&二条木屋町UNITでした。

紺屋のインディゴパンツ。

こんばんは。

お久しぶりです、間が空くにも程があるDeweyの裏ブログ、ご覧いただいてる方はいらっしゃるのでしょうか笑。

    

    

  

2022年に入ってからインディゴやデニムの商品が結構増えてます、Pt.AlfredのインディゴチノシリーズやORDINALY FITSやFOB、そしてぼくもちょっと仲間に入れてもらってるPt.ALfredとBOBSONのコラボシリーズ。そろそろデニム(インディゴ)の話をちょっとしてみようかなあと思いまして。

テクニカルな話も良いのですが、今回はぼくのデニムに対する気持ちと付き合い方のようなことをお話ししてみようと思います。

    

まずはデニムを意識した原点、映画とかミュージシャンとかってわけではなく、実はカウボーイ、おそらく同世代からするとここがずれてます笑。

順を追って言いますと、、

    

幼少期に「荒野の少年イサム」という、テキサスで育つみなしご日本男児が主人公のアニメにハマる。

その後「ローハイド」という西部劇の再放送(クリント・イーストウッド出世作でモノクロ)にハマる。

カウボーイ好きだったよね、という気持ちをどこかに抱えつつ少年期を過ごす。

高校あたりでデニムをはいたバイカーファッションが流行る(ホットドッグプレス等)、同時にインディアンジュエリーも流行り(ゴローさんとか)、カウボーイで悪役だったインディアンに興味が湧き本を色々読む。

本を読み進めると、「インディアンより白人の方が悪いやん、大人って怖い。」と感じつつどっちもかっこいいなあと都合よく思った頃に、都合よくラストオブモヒカン放映(モヒカン族に育てられた白人がインディアンと良い白人と共に、悪い白人と戦う映画)。

とりあえずトニーラマのウエスタンブーツを買う。同時に古着を買うという文化に触れ、ウエスタンブーツに似合うジーパンを探すと、自ずとラングラーということになってしまう。

そこから掘り下げていくと、リーバイス&リーという正統派からズレて、ペニーズとかシアーズとかを集めることになってしまう。

古着に関わるバイトをする頃には、CPOジャケット+ブーツカットジーンズ+ウエスタンブーツというのがぼくの定番スタイルになり(微妙に流行りとズレるクセはこの頃から笑)、京都にいた元インディアンのおじいさんのところに入り浸り、ちょこちょこシルバージュエリーを貰うようになる。

    

というのが原初のデニム体験笑。それと同時にストリートファッション&ビンテージファッションの時代も到来し、もちろんその洗礼を受け、デニムに軸足を置いていたぼくは気づくとデニムメーカーに居ました、しかも2社笑。

学生の頃は関西圏だけでなく東京や名古屋のビンテージショップにも足を運びました、もちろん代官山・原宿の遊歩道・神宮前その辺りにも。それでも下半身はほとんどデニムだったような気がします。当時のストリートブランドでは千寿公久氏のスワイプオンザクワイエットというブランドが好きでした、千寿氏がカバーオールやペインターを愛用してるところにシンパシーを感じてました、勝手に。そういえば千寿氏はMTBもお好きで、当時憧れだったシュウィンのストレート8というダウンヒルバイク所有してらっしゃって、ほら〜やっぱMTB好きだからかっこいいんやんか〜と、勝手にシンパシー倍増でした笑。

それからもうちょっと大人になると、トラッカーキャップ・JKT・Tシャツ・ジーパン・オールスターというのがぼくの定番スタイルに。その上の世代を眺めると、ラムのデザイナーのピエランジェロ・ダコスティン氏がいつもデニムで上半身がエレガントなベーシックカジュアルというスタイル、ほら〜やっぱこれかっこいいやんか〜と、またまた勝手にシンパシー笑。

    

その後トラッドの勉強をしたりウィメンズも経験したりで今に至り、現在アメトラを通過した感覚のもと商品をおすすめするようになったのは、やはりベースにデニムがあるからなのかもしれません。普段それほど意識してないんですけどね、思い返すと必ずベースにデニムがあったということを自覚します。

    

デニムの魅力って何なんでしょうね。

何にでも合うとか・エイジングが楽しいとか、ハード面から考えて分析するのが正当なのでしょうけど、それと共に無言の存在感が大きいような気がします。

上手くいえないのですが、コーディネイトに悩んだ時に「じゃあジーパンでいいか。。」と思ってもそれなりにまとまるという守備的堅固さもありますが、「これはジーパンじゃないと決まらない!」という積極的な場面も多々生じる。その両方を兼ね備えた、攻守のバランスが取れているのがジーパンなのかなあと思います。

それと個人的に思うのは、インディゴが紺色だったというのも大きな理由だと思います。元々労働者のための染色であるインディゴが昇華されていったのは紺色の持つドレスにアプローチしやすい魅力が伴っていたからなのではと思います。単純に労働者用や乱暴系の生地を考えると、カーキやブラウン、ミリタリー系のオリーブだってそうですが、やはりポジショニングが違う。紺ジャケに対してカーゴパンツを合わせるのも王道コーディネイトになりましたが、やはりデニムとはニュアンスが違う。ダックのワークパンツはもっと遠いですよね。あ、、、そういう意味ではチノも優秀ですが、脱線しそうなので見えていないフリで済ませます笑。

    

欧米の労働者の洋服でスタートし、軍にも採用された後にヒッピー文化や若者に取り入れられ、後に全ての人に受け入れられるように成長したデニム。兎にも角にも付き合いやすく、文化的にもオーソドックスな存在となった。

答えが出たような言い方ですが、ちょっとくらいはここから先に進めそうなので話を続けますね笑。

    

場所を日本に限定します。ですが岡山を中心としたジャパンデニムの話は周知のことですし、それは今話したいことではないので今回はそっと横に。

インディゴを日本人的に捉えると"藍"になります、厳密には違う染料ですが大きく捉えると同じ、フライor天ぷらよりも近い存在なはず笑。

    

例えば"紺屋の白袴"ということわざ、染め屋さんが繁盛して自分の袴を染める暇がない、転じて他人の世話ばかりして自分のことがおろそかになるというような意味になったそれ。この紺屋の紺は藍染のことを指してます。近世の日本人にとって染め屋のことを藍染め屋で表すほど代名詞化されていたということですよね。

はたまた維新の手前、開国された日本の港に降り立った英国or米国の誰かが、日本の街や人は紺色で染められて美しいと日記に書いたそうです。うろ覚えですみません、しかしそういう印象を持つくらい着物や暖簾なんかが藍染めだったのでしょうね。

    

時代が行き来してしまいますが、もっと古い決定版をば。"勝色"という言葉があります。おそらく"かちいろ"とキーボードを叩くとまず褐色が出るかと思いますが、そもそもはそれに対しての当て字です。現代語だと"かっしょく"と読みますよね、想像するのは茶系のくすんだ色になると思うのですが、正しく言えば茶褐色となるはずで、本来褐色は濃紺(鉄紺)を指したのです。

平安期に貴族の下働き的存在だった舎人(武士登場以前の武官)が着ていたのが褐衣(かちえ)と呼ばれる藍染の衣、ザクザク&ザラザラの麻で作られた作業着です。そこから褐色という言葉が生まれ、その後鎌倉武士に引き継がれ"勝色"と変化、武士の色=紺色となったみたいです。

中世以降の日本は武家社会、ぼくらのイメージする日本文化ですね。武家にとって大切な色、一般庶民にも扱いやすい色、日本の色=紺色(藍色)となり、オリンピックなんかの代表色がネイビーになるわけです。

    

これだけの歴史的裏付けがあるわけですから、そりゃあ日本人に似合う。

   

そして日本人であるぼくの話も追加、ぼくのブログですからね笑。

こないだインスタでもちらっと触れましたが、最近剣道の稽古に復帰しつつあります。誇れるような経歴は全くございませんが、小学生の頃から剣道界の片隅に居させてもらいました。冒頭の西部劇同様、何故かその日本版的時代劇が好きな子供でした。刀のおもちゃを振って遊んでました、さぞ可愛かったことでしょう笑。そんな幼児期のぼくに、剣道の先生だった祖父が木刀の小太刀を与えました、これは遊びに使えないな〜と子供心に思った記憶があります。その後小学校に上がると共に自然と剣道を習い始め、大学まで。その後は年に数回、さらに数年に1回、色々あって皆無になるまで遠ざかってましたが、最近稽古をお願い出来る状況になり、中断してしまったことを悔やむ毎日です。これが本当に悔やまれるんです、夢に見るくらい笑。

    

    

もうね、着替えるだけで汗だく、基本打ちだけで息続かなくて板の上で溺れてます笑。そうそう、この2年はマスクを着けて稽古しなければなりません、それの外側にマウスガードも、さらに溺れやすくなっております笑。

しかしながら久々に向き合ってみると自分のダメさ加減がきっちり分かる、これがとても気分の良い事なんだなあと、若い頃とは全く違う醍醐味。目標は、怪我をしない事&真っ直ぐ攻めて正しい面打ち、これが出来れば気分良く老いに立ち向かえそうです笑。

 

そして、、、皆さんの予想通りのことを申しますが、剣道の道具で着装する物の殆どに藍染が使われている。最近は化学繊維の物が増えましたが、それでも藍染がやはり本分。思い返すと大人になるまで毎日のように藍染に触れていたということになります、めちゃめちゃ日本人じゃないですか笑。

剣道具って色々凝るポイントが多いのですよね、素材だと刺子・織刺・紺反・鹿革・鹿毛・黒ザン革・竹、染めだと藍はもちろん漆も。家紋をあしらう蒔絵もあったり。

やってない人からしたら訳の分かんないポイントがあったりします。手刺しか機械刺しか?、刺し幅がどうだとか、胴の胸のデザインや胴台(本体)裏側の竹が43本なのか50本なのか、垂れの段飾りが何段だとか。高級過ぎる物を使うと分不相応だし、安価なのを使うと弱そうに見えるし、でも試合の時はちゃんとしたいし、あ〜お金かかる〜!!とか笑。

そしてその道具を大切に扱うことも稽古の中に含まれていますし、道具選びも重要ですので、自ずと物に対するこだわり的な価値観が養われたのかも知れません。その中でも藍染を身に着けることがデニムへの足掛かりだったのかも知れませんし、正しい着装を求められることがベーシックな洋服好きの基礎になったのかも知れません。

    

こうやって復習すると、私の人生は結構インディゴまみれだわよ笑。

    

ぼくは「道具としての洋服をお勧めするお店」なんて言い回しをよくします、誇張してるような言い回しになりますが、これはインディゴ(藍染)に教えられたことだったりして。チノだってウールだってコットンナイロンだって好きですが、どこかインディゴはグッとくるんですよね。エコ贔屓とまでは言いませんが、幼馴染だから仕方がないよ〜とかそんな感じ笑。

    

    

    

とまあ、いつものようにまとまりの無い文章になってしまいましたが、、、引き続きPt.AlfredのインディゴシリーズやPt.Alfred×BOBSONもよろしくお願いします!!、ということを私情でダラダラとお伝えしてみました。

でもほんと、ちょっとインスタや表ブログの過去の投稿を見返してみてください、素敵なんですうちのインディゴウェア達は。

    

久方ぶりの投稿、これで大丈夫でした???笑。