ハシグチカンジの枝葉末節

某ブランドの京都アトリエショップに大体いるメガネです、以前は御所南Dewey&二条木屋町UNITでした。

持続可能というか、持続したい。

こんばんは。

この2週間程でDeweyに新しいブランドが2つ仲間入りしました、ぼくがやっているお店としたら珍しいスピード。まあ実際のところアサヒさんに関しては2年以上前からのお話を低温やけどするくらい温めていたという逆に遅い仕事笑。本日表のブログでご紹介(のご紹介程度ですが)した月城ニットさんも営業さんが何度も足を運んでくれて(むしろ彼だから始めたという部分も大きい)、その後新進気鋭の社長さんも来てくれて色んな話をして。ありきたりな話かもしれませんが、誰がやってるか(というよりも喋って気分が良いか)というところが新しいお付き合いを決めるほとんどの要素なのかもしれません。

あ、もちろん物がきっちりしているからですよ笑、このきっちりという感覚がぼくには大事なのかも知れません。高級で良いものというのは当たり前だし、商品を作る上で努力をしていない人なんで殆どいない、いたとしてもその周りの誰かの努力のおかげ。ぼくの場合、ぼくがざっくり&雰囲気を絵に描いたような質なので、商品のアウトラインがきっちりしていてくれないとバランスが取れない、だからDeweyの商材に対しての表現は"きっちり"を選びます笑。

 

今回入荷しましたアサヒシューズ、これは個人的にもかなり感慨深いものがあります。

アサヒを履いたことがない日本人っているのでしょうかね、保育園や幼稚園から小中学校、ついでに高校まで入れて、上履きや体育館シューズとして必ずどこかでお世話になっていると思います。そういう靴を作るにはもうスポーツとかファッションとかでは想像できないくらいの多角的なクオリティを求められて来たのだと思います。すごい歴史だと思います。

そして個人的という理由はこれ、

 

 

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UNIT時代のU.S.Keds〜PRO Keds、実はアサヒシューズの工場に依頼して作っていたものなのです。ぼくも企画に無責任な口出しをしてましたので笑、それなりに思い入れも強い。当時持っていたコンバースは全部友人に譲ったくらいケッズに取り組んでました、もちろん手放したことには後悔しています笑。そして国内でのライセンスが大手ショップさんに移行し現在のPRO Kedsは海外生産に、それと共にUNITでの取扱いも終了。ぼくの手元には10足程残っています、特に写真の2型は大切なので新品をキープしてますが貧乏性なので中々おろせずにボロボロのを履き続けています。SNSでぼくがよく履いている白のハイカットはこのバイクケッズというモデル。

その後アサヒさんの関西営業部からお取り引きのご提案をいただき、諸事情で温めすぎてUNITでは間に合わず、もうDeweyで仕切り直し!ということで今に至り、、コ◯ナの影響でその段取りも予定よりも時間がかかったりもしました。

そんな感じでようやく届いたアサヒのスニーカーを見るとね、何だかジーンとするんです。

 

 

 

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インソールの印字や飴ゴムのアウトソール、同じお腹から産まれたのがわかるでしょ、もう泣けてきます笑。

 

 

そして月城ニットさん、爽やかなお兄さんが入ってきたな〜と思ったら営業さんでした。いわゆる"飛び込み"という営業で来た彼の具合が何だか心地よく、その後何度も足を運んでくれて秋からやろうか〜なんて言ってたのですが、どうも我慢できなくてスタート。

大阪〜和歌山にかけては編み物が盛んな地域で、泉州はタオルで有名ですし和歌山もスウェットやニットを編む工場が沢山あります。そんな中間地点の岬町は南海沿線で幼少期を過ごした堺出身のぼくにとって、これまたケッズ同様に懐かしい響き。もう無くなったのですがみさき公園という遊園地があって、みさき公園行きという電車が今でも難波駅から出てます。

そして始める前に会うと言って来てくれた社長さん、先代から受け継いだ工場で新しいことをとメンズを始めた若さが羨ましく、営業のMくんと20代の2人が並んでるのを見ると「やっぱ若いって正義よな〜」と更に羨ましく笑。

因みにブランドスタート後数ヶ月なのですが、大阪がザボウさん・神戸がロータスカリフォルニアさんと錚々たる先輩方のお店、、京都はDewey・・・??ん??、逆にプレッシャーやわ!となったのですが、そういう意味ではぼくもそういう立場なのかも知れない(あくまでもかも知れない笑)というのを感じさせられ襟を正す思いでした。

 

 

そんなこんなでお店に並んでいる商品を見渡すと、9割方日本製。Pt.Alfred・ARAN・BETTER・MARINEDAY・FREDRIK PACKERS・mature.ha・MANON・ORDINARY FITSと、顔や話し方や果ては家族まで見える人たちが作り、それぞれ顔の見える人に縫ってもらってる商品を扱ってるんだなあと思います、インポートにしてもそれに近いことが言えるでしょう。

ぼくらの業界では"サスティナブル"という言葉が声高に叫ばれてますが、何と言いますか・・・Deweyの規模でそれをまことしやかに唱えるにはどうも腰が引けてしまいます。しかし大手ブランドさんやショップがそれを掲げるのは責務だと思います、内容如何の個人差はどうであれそうやって世の中は動き続けるわけですし、シンプルに会社の損益に直結する(これは言っとかないと不味いとかそういうことではなく、実際取り組まないと維持存続に影響を及ぼすはず)と思います。転じて"専門店"と言われる部類に属し、更にDeweyのように一人親方で好き勝手にやっているお店の場合、誰が買うとか・どういう人が見てくれているとか、そういうのがシンプルに直結しているわけです。生々しい言い方をすればこの1000円が屋台骨に影響する、そんな感覚。

そんな感覚ですから、やはり日本製(メイン)というのが素直でしょうし、それがぼくらのサスティナブルなんだろなあと思います。

 

お前が言うなら買うわ〜(お客さん)

お前が言うなら買うわ〜(ぼくら)

お前縫ってや〜(メーカー)

縫ってるで〜(工場)

 

持続可能な洋服業界の末端でやっていくDeweyでした笑。

 

それではまた次回。