ハシグチカンジの枝葉末節

某ブランドの京都アトリエショップに大体いるメガネです、以前は御所南Dewey&二条木屋町UNITでした。

初売り、おし売り。

こんにちは。

 

遅まきながらではございますが、あけましておめでとございます、本年もよろしくお願い申し上げます。

年始オープンと共に、一部ディスカウントしてる商品があります。Pt.Alfredのストックしている冬物のJKTやコート、これはウェブショップにもアップしております。その他、店頭のみでのクローズドセールとしてお出ししているモノもございます、よろしければご来店くださいませ。

その中でもPt.Alfredのカチッとしたヘリンボーン素材のコートを、個人的にもお勧めしておりまして(この時点でXSのみになってしまいましたが)、本日はそれをお買い上げいただいた時のお話。

 

前店舗の頃からちょくちょくご来店頂いてるお客様が、ハンドクリームをお求めにいらっしゃいました。ブログ等をしっかりチェックしていただいてるご様子ですので、セールのあたりをご覧になって、「あ〜、この辺ね〜」という感じでらっしゃいました。そこでご試着をおすすめした際に、そのコートもおすすめしてみました。

前店舗からお越しの方ならご存知だと思うのですが、ボクはあまり「これ買っとけ〜」というような事を申し上げません。「これは今後ないパターンかも、なので気になるなら今それほど触手が動かなくても持って帰った方が、、」なんて思うときはいつもより少しお勧めするのですが、断りやすいスペースを作った話し方をするようにしてます。

今回もそれくらいのお話をしようと思っていたのですが、なんとなくいつもより熱(というよりも圧)が増しました笑。「押し売りするつもりは本当ないですが、これは後々買ってて良かったと思う時がちょくちょくある、押し売られたと思ってもらって良い。」という類の事をお伝えしました。そんな感じでお話を進めていると、順々にお客様も納得に至ったご様子で、コートを連れて気持ちよくお帰りになりました、ハンドクリーム買いにきただけなのに笑。。。

 

接客方法の話ででよく出る言葉のうちの一つが"最後の一押し"というやつ、まさにそれなのかも知れませんが、正直ボクの場合は年に数回。接客や個人売りに快感を感じる洋服屋はここに達成感を感じるのだと思います。もちろんボクだってそれがないわけではないのですが、どちらかというとボクが無言のままで、お客様の意思でおすすめに反応してもらう方が気持ちが良い。バイヤーとしての気質の方が上回っているのかも知れませんが、店頭をキープする上では気迫が足りないのかも。押し付けの押し売りをする気概と根性がないのかも知れません笑。なんて事を、お帰りの後に考えてたのですが、ふと思いました。「あれ??いやこれは押し売りではなく推し売りなのでは??」

 

押し付けるのではなく力一杯推薦する"推し売り"、良いんじゃないのコレ。すぐにSNSハッシュタグを調べると、使われた形跡が5投稿程でした、使お笑。

 

ということで2021年のDeweyの目標は"推し売り"、頑張ります、強めでいきます笑笑。

 

本年もよろしくお願い申し上げます。

それではまた次回。

柿と梨。

こんばんは。

日当たり良すぎるDewey、ようやく日中もニットを普通に着て居られるようになりました。しかしお日様の力というのはすごいですよね、燃料や電力で温めるよりも芯から温まっているのか、体が楽です。自転車での通勤の往復もいつもより薄着で平気なような気がします。とは言え、ボクは寝冷えで風邪菌を活性化させるきらいがありますので、毎日油断の無いようにしなければ。もう5,6年連続で年越しに発熱して休みを棒に振っております、一昨年はそのおかげて映画を20本くらい観られたので、それはそれで楽しかったのですが笑。

諸々のバイ菌さんが猛威を振るう今年の冬、必要以上にうがい手洗いをしましょうね。順番だと手洗い→うがいですね。

余談ですがうがいって"嗽"なんですよね、夏目漱石で有名な漱石枕流の"漱"が「すすぐ」「くちすすぐ」と読み、"嗽"は「くちすすぐ」「うがい」と読む。この使い分けは喉をガラガラするところなのでしょうか、でも漱もうがいと読むし、、まあ余談です笑。

 

ということで本日は柿と梨で思いついた、というか思わされた話です。

 

先日東京の友人が三泊程京都に仕事で滞在しており、2晩を一緒に過ごした翌日の昼にDeweyに訪れたのですが、その時に「ねえねえカンちゃん、柿食べる?」と言うので、「うんうん、でも果物ナイフ無いや〜、まだ足りないものだらけ。」と答えると、いやむいて持ってきたと。

 

 

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彼女、各メディアでコメンテーターとして活躍する、映画を撮ったりCM作ったり、エッセー書いたり絵を描いたりする人なのですが、東京で剥いた柿と梨をジップロックに入れて京都のボクに渡すわけです笑。まあ、食べるのを忘れてただけでしょうけど、ポイっと当たり前に渡すわけですよね。

え?剥いて持ってきたの?と思いはするのですが、反応するのも面倒臭いので、皿ないしコップに入れるわ〜というと、一緒に居たミュージシャンの友人が「カンジさんもやっぱ変だね、何にも思わないもんね笑」と。いや、思いはするけど、、腐ってなけりゃ食べられるし、新幹線とかで食べるつもりのを忘れてたんでしょ、相手がボクで油断してるからだろうし、、その辺りの想像はつくしまあ本筋には関係ないからね。なんて答えると、カンジさんぽいなんて言われるのです。家人にもそれは言われます、そういう感情表現が薄いそうです笑。

まあ普通はそのまま持ってくるor剥いたものは出さない、そうなるところでしょうし、実際逆の立場ならそうはならないでしょうね。

それに近い話だと、先輩筋を辿ると行き着く、日本の男性ファッションを作り上げた大巨人の息子さん。息子さんなんて呼ぶのはおこがましい、通称"先生"と呼ばれる方なのですが、その事務所にチラッとお邪魔した際、ごく当たり前のように「甘納豆食べる?」と訊かれました。当時30前後だったボクは全く好みでもなんでもないですが、すごい人にそう言われて、愛想でポツポツ食べました。その1回きりしかお会いしてませんが、その力の抜け具合を今思い返すととてもカッコイイ。

例えばミュージシャンや我々業界でもちょっと抜けた方、そんな皆さんとご一緒したりする時も、種類の豊富なバーに行ってもいいちこを美味しそうに飲んでたり(置いてるバーもある意味すごいですが)、高名なコンサル業の方がスーパーの安い食品を買い続けてたり。

そういうのを垣間見ると、好きなことで頭ひとつ抜けている人の純度ってすごいなあと思います。もちろん、いわゆる一般的な人の中にも、好きが純粋な人もそのパターンが多い。

 

ボクも好きを伝えるのが仕事だし、好きだからこやるべき仕事を選んでるはずなのですが、色んな場当たりを少なからず考えて、自分の思う事のアウトラインを滲ませ、ぼやかしつつ過ごしている様に思います。

自分の是と思うことを真っ直ぐに伝えるって、結構難しいですよね。世の中で是としていることを優先してしまう。ボクらの仕事はこの是を追求することだと思うのですが、その核心を続けるために違うこともしなければならないし、逆に違うことをするのが嫌だから核心が不安定になってしまったり。

洋服を売るのに、一番わかりやすいのは"最先端"や"流行"、"お買い得"や"ここでしか買えない"だったりするのですが、そうじゃない大切なものって沢山あるのですよね。その大切なものの中で、ボクが出来ることを自分で迷わない様にしなければなあ。

 

なんて、ジップロックの柿と梨に思わされました、なんやそれ笑。

 

それではまた次回。

ちょっと死んでみる。

こんばんは。

ボクはいくつか読書会というやつに顔を出しておりまして(目下定期的に稼働しているのは1グループですが)、大体2ヶ月に1度、お題の作品について飲みながらあーだこーだ喋るという、オタク業界でいうところのオフ会のような物でしょうか。

 

 

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先日は某老舗居酒屋の湯豆腐(もはや鍋ですが)を囲みながら、3年前の直木賞受賞作であります佐藤正午氏の「月の満ち欠け」を。

お題に傾向はなく、国内外・新旧問わず、その時の皆の気分で次はこれの気分かな〜なんて軽い感じで。因みに次回は初の漫画です、漫画の名作も心を打つものが多い。

そしてタイトルの「ちょっと死んでみる」、別にボクがそういう衝動に突かれているわけではないですのであしからず笑。まだ読んでなくてご興味のある方にネタバレするのはアレなので、内容に言及するのは極力避けようと思っているのですが、、これは登場人物Mの先輩が書き残した言葉。読書メーターなんかで色んな方の感想を眺めていると、このMについて述べられたものは殆どなく、あったとしてもよろしくない印象だという意見が多い。しかしながらボクには最も気になる人物でした。むしろこの人の動きで物語の活性化がなされてるように思いました。この先輩は順調な人生を歩んでいたはずなのに突然自死を選ぶのですが、それに対してMはとても憤りを顕にし、主人公と言える妻のRは相対的な位置にいる。

確かに読み進めているとMの言動が極端や強引に感じたりしそうなのですが、俯瞰で冷静に見ると、登場人物の中で最も一般的なんですよね。それよりも物語の中心人物の方が一般的には逸脱している。しかし読者の感情は逸脱している方を支持する声が多い、大衆を扇動するのはこの辺りを上手くコントロールできるかどうかなんだろうなあと笑。

この物語は肉体を"器"とし、心(愛情や存在)を準永続的なものとして表現してます。「ちょっと死んでみる」というのも、色んな環境が整って(と言って良いのかわかりませんが)試してみたくなった。肉体と心のバランスの綱引き、それがかなり精神的立地からのもの、ある意味衝動なのでしょうけれど。

器というのは不思議なものですよね。皿の具合で美味しそうに見えたり、シチュエーションによってはその逆も然り(片手鍋のままインスタント面を食べる楽しさのような)。スーツを着ればピリッとするけれど、家着のジャージだとスライムのようにソファから動けない、中身は同じ人物。子供を持って一人前、そういうのも器としての表現と言えるでしょう、もはや死語ですが男の器というやつですよね。使い古された表現であれば、水は形を変えて器に寄り添う。このまま展開すると鷲田清一氏の著書を読む方が早くなりそうですね・・・笑。

前述の主人公的人物Rは逆に器を変えながらその心の形を変えずに時を重ねます。物語終盤にかけてその倒錯感が加速する、登場人物の年齢・時間・関係もどんどん複雑化します。時間・感情・存在、それが月の満ち欠けのように波打つ、いや、、波打つと言うよりも、速度が一定でエンジンの回転数が上がったり下がったりするような、なんとも言えない読み心地の小説でした。

読書会の帰りの夜道に月を眺めてると、ひょっとするとかぐや姫エスプリも少し取り込んでるのかなあと思いました。あのお話も冷静に考えると結構かぐや姫が怖くなります。ジブリの映画でもその温度感が表現されていたような気がします。

そしてやはり「Mが一番かわいそうやな、普通ならあいつが一番まとも。」という結論が、ボクの中で固まりました。

読んだ方、是非Deweyに来てください、話したい笑。まだ読んでない方もオススメします。

 

佐藤正午氏の文章は、振り回されて心地よい。

 

 

 

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ちなみに「小説の読み書き」という氏の著作もとても面白い、名作&名作家を斜めから切り取ってます。ちょっと前のボクは太宰についての表現に膝を叩く思いでした。Deweyに置いてますので窓辺の時間潰しにでも。

 

裏ブログなので洋服につなげて着地しなくて良いのがホント快適笑。

それではまた次回。

チノクロススーツは武士道?

こんばんは。

暑いです、気温が高い日が続きますね。そうなると、自ずとDeweyの窓が力を発揮します、昨日今日と夕方まで半袖1枚。個人的には嬉しい事ですが、秋冬シーズン的にはどうなのでしょう。夏もエアコン効くのかどうなのか、ちょっと不安ではあります笑。

 

そんな窓辺でお送りしております当ブログ、そろそろ商品の話でもと思いまして、、最初にお話しするモノなので、やはりDeweyの看板商品から参りたいと思います。

 

 

 

 

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Pt.Alfred CHINO CLOTH SUITS

PT.Alfred棚の一番奥が定位置になっております、というのはコレ、ボクのなので。

どうせ殆どお店にいるし問題無し、更に使い続けるとこんな感じになるよ〜というのもみていただけますし、欠品中のサンプル代わりにもなります(そんな場合でも、生産中じゃない限りは2日以内にご用意できますよ)。

 

その前に、先ずはPt.Alfredの"チノ"についてお話しします。

ボクは過去デニムのメーカー2社に在籍しておりました、ちょっとその辺が好きな方なら必ずご存知のブランド。その薫陶を受けで育っておりますので(磨かれてるかどうかは別の話)、それなりにデニムに対する自負というか依存というか、そういうモノもあります。イブサンローランに"私がブルージーンズを発明したかった"なんて言わしめたデニム、そのの存在というのは他に変え難い素晴らしさがあります。

 

 

 

 

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因みにDeweyのミシンの頭上、おそらくボクが二十歳前後くらいに手に入れたデニムをお守り代わりに吊ってます。ビンテージと言っても良いのだと思うのですが、リーバイスでもリーでもラングラーでもなく、J.C.PENNYという、当時ストア系なんて言ったブランド。この頃から好みがセンターからズレてますね笑。JKTはラングラー調・パンツはリー的な面持ち、おそらく50後半〜60年代のもので、素材感・色落ちが良い。パンツは"片耳"といわれる仕様で、片方はセルビッヂ・もう片方はオーバーロック、量販店だからこその工夫がみられます。

とまあ、ストア系の蘊蓄をつらつら並べるのが目的ではなく、、デニムの話。

30半ばくらいまでは、デニムが最も万能な素材、厳密に言えばパンツ用の生地としてはダントツで万能だと考えてました。

そしてそれくらいからお師匠のPt.Alfredの取り扱いを始めるのですが、じわじわと「ん?ひょっとして??」と思うようになりました。

というのに気付いた原因は自転車。その頃はいてたジーパンと言えば長い付き合いのモノばかりで、久々にワンウォッシュを手に入れて意気揚々とはいてたのですが、、早い段階で他のインディゴはそのままにお尻の割れ目付近だけ白くなってしまい、こんなお尻のおっさんはなんかイヤやん…となり笑、すぐに同じものを買い足して、自転車の時以外にはくようになりました。

そこではたと考えたワケです。

ワンウォッシュデニムに限らず、濃い色のパンツはお尻だけ白くなったりテカテカしたりする、コーディロイなんて如実です。じゃあ、自転車用にオーバーショートパンツとか作ったら?いや面倒だし訳わからんし笑。

そこで当たり前のことに気付きます、ベージュのチノならその心配がかなりへるじゃないの、と。そして元来チノーズというものはミリタリーウェア、耐久性の高いパンツです。変な色落ちの心配がなく・耐久性が高くて・汎用性バッチリ、なんだ、チノって良いじゃないのよ!笑。

デニムメーカーは当たり前のようにチノパンも作っており、当たり前のように売っていましたが、しっかりそれをお考えたことがなかった。そして当たり前にはいてました、大反省しました。

 

そしてPt.Alfred。

 

 

 

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"チノパン"と言えばアーミーパンツデザインが基本です、無論Pt.Alfredに於いても同じ。脇がガチッと巻縫いで、ステッチが効いてパッカリングもパキッと、雰囲気的にはワーク&ミリタリーの遺伝子はしっかり。この写真はPt.Alfred 3rd ARMY PANTSです、格好良いです。コレは比較的細いタイプ(かと言って細すぎる訳ではない)、コレが3rdなので1st(太い)も2nd(中くらい)ももちろんあります。

Pt.Alfredのチノは本当に頼れる存在、独特の弾力性のある素材で、はく程に身体に馴染んでくれますし、もちろん耐久性が高い。

 

そして本題のチノクロススーツ。

 

 

 

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JKTはもちろんなのですが、ドレスのディティールでチノパンを作っているからこそ、しっかりスーツとして成り立つのですよね。

ドレスタイプも太い方・2プリーツの中くらい・細めと3パターンあります。

 

"チノクロススーツ"というのはアイビールックのアイテムとしても代表的な存在。昔はチノクロス自体をベージュでしか作っておりませんでしたので、スーツももちろんベージュのみ。アイビーをリアルタイムで体験した大先輩のお客様は「昔からあるベージュ、ネイビーは眼中に無し!」なんて硬派なご意見も。コレは文句をつけているのではなく、かっこいいし羨ましいなあと。やはりクロージングが身体に染み込んでる方はベージュを選ぶ傾向にあります。

とは言え、現代は他の色も作るようになったわけですから、やはりスーツの王道ネイビーも。かく言うボクもタイドアップの時はネイビーの登場回数が多いです。シャツを着ない時はベージュの出番が増えます。

 

 

 

 

 

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と言うことで、ニットやカットソーをインナーにした場合はこんな感じ。

 

 

 

 

 

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さらに靴をスニーカーにして、もうちょっとラフに仕上げるとこんな具合。

カジュアルのスーツ、使い慣れると本当に便利です。大人の"らしさ"もしっかりありますし、コーディネイトに迷うことも減ります、コレを気とけばなんとかなるとも言えなくもない笑。昨今のカジュアルスーツはストレッチやジャージ素材が主流になってきてますが、やはり着続けるとハリコシがなくなっていき、やつれていくのは否めない。その点チノのスーツはエイジングと言って良い表情の変化も楽しめ、洗えばシャキッと清潔感もキープできます。

 

 

 

 

 

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そしてタイドアップ。コレはインスタグラムでのコメントにも書きましたが、少々乱暴に言えばネイビーのモノトーンにすれば大体様になります。ボクはブルーのシャツにネイビーの無地タイというパターンが鉄板ですが、

 

 

 

 

 

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例えばお客様Mさん。友地のPt.Alfredの蝶タイにモンクストラップの靴、こういう感じだとさらに洒落感が増します。

こんな感じで、タイドアップにするとそこそこドレッシーな方向に振れます。カジュアルスーツなのに中々の表情を作ってくれるのです。トライアングルの作り方で色んな調整が可能、コレは本当に有難い。好感度を下げない、軽さがありつつ上品さをキープしてくれる本当に優秀な存在です。

 

そして本題、というか表題の"チノクロススーツは武士道?"というボクの気分。コレはネイビーに絞ってしまう言い回しになりますが、"紺は勝ち色"などと申しまして、武士の使う代表的な色でした、また藍染は耐久性や殺菌効果もあるので、剣道着や作務衣など、昔のスポーツウェア的存在にも選ばれた色。そもそもスーツ自体のルーツが乗馬用の軍服という騎士の運動着ですので、似通ったルーツとも言えます。

そして時代劇の相関図的にもよくある、チャラい侍はチャラい着物で派手な刀、好感度の高い侍は地味で清潔感のある着物、刀も黒い柄巻に呂色の鞘。

実際にもいわれていたそうですが、普段ボロをきていても、いざという時に古くてもさっぱり洗った裃を用意できるのが武士の心得だということだったそうで。

 

そうやって長く付き合って、洗い晒していってもキリッとした表情を見せてくれる、男らしい装い。まさにそれこそチノクロススーツなのでは?とDeweyのボサボサ頭は考えております。

 

なんか、持ってる(用意にある)こと自体が格好良いと思うんですよね。

 

だからこその看板商品。

皆さんも是非心得としてお持ちくださいませ笑。

 

それではまた次回。

 

Deweyの居心地について。

こんばんは。

 

前回はお店を始めるにあたり、大凡どのような気分なのかというのをお話ししました。

本日はお店の居心地について。

 

要するにあれです、いわゆる"内装"というやつです。

今回の店舗、外観・エントランス共に全く何も気にしておりません笑。入り口も右脇で少々わかり辛い。階段も建物の背面でエントランスの奥、初回は「ここ進んで良いのよね?」と不安にさせる生活感笑。外観も昭和後期のかもなく不可もないニュアンス。

そして内装。壁床天井、殆どそのまま使ってます、いわゆる事務所物件の王道を行く無地の壁紙にライトグレーのクッションフロア。90%以上のオシャレ従事者ならば、クッションフロアをハツってコンクリートorフローリングを施すのでしょうが、ボクはそのまま。面倒というのもあるのですが笑、自分で作業すれば経費もそれなりに抑えられるので、まあやればいいやんと思うのですが。

そのまま使う理由その1。鉄骨造のこじんまりしたビルの床って結構足音が下に響きますよね。綺麗事ではなく、下の方にうるさいなあと思われる量を減らしたいからというのがまず半分。そのまま使う理由その2。残りの半分は壁とまとめて、、、コスプレをしたくないから。という事です。

洋服屋さんや洒落たモノを売っている所って、特別な空間のところが多いですよね。実際カッコイイ、ボクだってもちろんそういうのが大好きです。手づみレンガの外壁にモルタルの壁なんて部屋を借りてたら、ひょっとすると頑張ってたかも知れません。でもDeweyのビルは、古くて味のあるとまでもいかないし、何かのコンセプトビルでもない、普通のビル。その普通のビルの2階に上がって、突然アンティークのドアが貼り付けてあり、漆喰の壁にヌメっと光るアイアンと重厚な棚板があっても、なんだか、、ねえ。語弊を恐れずに言えば、ハリボテの水槽の中には居たくない。

そして、前回にお話ししてますが、ニュートラルな洋服をニュートラルにオススメしたい。なので、コスプレになるような環境で売りたくなかった、そういう気持ちもあります。洋服は工夫と自分の空気感でコーディネイトするモノです、それは部屋も同じなんじゃないかなあと思います。

 

なんというか、大人の軽さのあるお店にと思いました。軽薄ではなく軽快な大人、こだわりすぎではなく力の抜けた、まさに洒落た人を目指すDeweyとしましては、そんな気分です。

 

・・・・・風呂敷広げすぎた、、、偉そうに設定しすぎたぞこれは。。。笑。

 

という事で、、

 

 

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先ずはドア、もちろんそのまま。ここのサッシ全部に言える事で、アルミのまんまの色だったら嬉しかったのですが、、そのままの君を愛します笑。

ビニールテープに書いて貼った、店名・社名・自分の名前。友人に頼んでるシート待ちなのですが、これはこれでやる気のない感じがちょっと気に入ってます笑。

 

 

 

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ドアを開けると、少し廊下チックになってます。それを5歩くらい進めば

 

 

 

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こんな具合の部屋になってます。

 

 

 

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反対側から。そういう事です、入り口の廊下チックな理由は、左側が小部屋仕様になってたから。この奥にミニキッチンとユニットバスがあります笑。なんでも2つ前の入居者がゲストハウスにしてたらしく、その遺構。とてもキレイな状態で残ってたのでそのまま使わせてもらうことにしました。MTBを怠けているボクへの天からの啓示なのでしょうか笑。

 

 

 

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真面目な話、都合が良かったのが、ストック・フィッティング・ミシンをここにまとめられたこと。これを無理矢理仕切ると結構煩雑な環境になりますので、狭くなりそうなのを逆手に取れて結果オーライだったのです。

 

 

 

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南側全面の窓と共に西側も遮る建物がない、これが開放感の要因の一つ。本当に快適。日当たり最高、11/16現在も正午前後は半袖です。ん?これは夏に問題なのでは??、そんな事は夏に考えましょう笑。

 

 

 

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Pt.Alfred西日本支部、なんでもご相談ください。

 

 

 

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ボクの自己紹介的スペース、近いうちにココにぴったりな商品も到着します。

 

 

 

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窓際リラックススペース、4名様くらいなら御歓談可能。風呂もあるので折角ならと、米軍払い下げのベッドを什器代わりに。いざとなれば家出も可能なのです笑。

 

 

 

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その向かいのボクの居場所。窓際の奥、一番良いところに陣取ってます。一番長くいるのはボクなので、それで問題ありません。

とは言え今回かなりコンパクトです、一昔前に比べるとPCで殆どの事務仕事が出来るようになりましたので、ボクのワークスペースはこじんまりで問題無し。

このテーブルを結構褒められます、欧米ではよく使われてきたタイプライターテーブルというやつで、日本ではバタフライテーブルという方が馴染みがあるかも。動かせるし畳めるし、テレワークが増えたご家庭にも便利だと思います。因みにこれはイタリアのITOというオフィス家具メーカーのちょっと古いやつ。

椅子も適度にリラックス出来て、きっちり仕事に向かえる絶妙なやつなんです。こないだも何処の?イイやん?と尋ねられたのですが、これ、イトーキなんです。海外のワークチェアが人気ですが、いやいや国産だって素晴らしいのです。これはSINTAというシリーズの中の1つ、エリック・チャンという方によるものだそうです。この方、いわゆる黒電話をデザインしたヘンリー・ドレファスのところに居た人だそうです。そう聞くとちょっと興味湧くでしょ??

イトーキとか内田とか、国産事務機器メーカーもカッコいいものがいっぱいです。

 

国産と言えば照明器具、全て日本製です。

 

 

 

 

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ナショナル&松下・コイズミ・ヤマギワ・ヤザワ・大光。

「インテリアの半分以上は照明で決まる」と誰が言ったかは忘れましたが、だからこそ日本製を。ダクトレールを四角に配して天井から見やすく均一に、洋服屋さんとしてはそれが正解だと思いますが、それよりも遊びに来ていただいて部屋として居心地の良い灯りにと思いました。日中の日当たりが最高なので、夜の灯りも心地良く。

個人的にはヤマギワの王道感も好きですが、大光のカウンターパンチだけど力の抜けた感が好きです。自宅の自室は全部大光電器製のモノです。ダイコー大好き!!笑。

 

 

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商品も見えるし、部屋の落ち着きもあるし。

 

に、、、、なってます???心配になってきた・・・笑。

 

という事で、要するにボクの部屋にようこそ。普通でノーマルで長居するにも気負わないし疲れない、これをお伝え出来ればというお店です。

なので"お店"と言わず"日当たりの良いデューイの部屋にようこそ"と言いたいのです。

 

 

ネットショップ(稼働遅くてすみません、、、)ご利用の方にも、少しでも遊びに来てる感を味わって貰いたいなあと思い、写真多めにしてみました。そういう擬似体験も何かの形でできないかな〜、ズーム配信とかインスタライブとか、、恥ずかしいしなあ。。。

 

という事でまた次回です。

 

 

Deweyをオープンするにあたり、所感を少々。

こんばんは。

"いよいよ今月31日にオープンすると言ってしまいました。という感じで書き始め、途中で保存して、オープンまでに2,3回くらい更新するつもりでいたのですが、、いやはや申し訳ございません。。。"

 

ということで気を取り直して。

 

いよいよ今月31日にオープンすると言ってしまいました。

正直、、過去の経験上からすると全く全てが足りない笑。これまでの服屋人生の中で10回はお店の立ち上げを経験しているにも関わらず、46歳のこんな見切り発車で世間は許してくれるのでしょうか、、甚だ疑問の多いスタートです笑。

どこからお話すれば良いのでしょうか、そうですね…先ずはDewyの方向性とお店のネーミングの由来について、にしましょう。

 

ボクは、この業界で25年程お世話になってますが、いわゆる"ファッション"というモノを不得意だと思っております。ファッションの定義というのを話すと、パリコレを筆頭とするオートクチュールの世界からスーパーの上階にある量販まで、えらいことになるので、ここは"オシャレ"という言葉に置き換えようと思います。

このお店は女性にもお越しいただくお店なのですが、それはちょっと脳の横に保留していただきまして、男性の装いについて、先ずは言及します。

ボクの祖父は教師で剣道家でちょっと軍人、父も教師。2人の影響をしっかり受けたボクは、大学まで剣道部員で、卒業後は文系の仕事をできればなんて思いながら成人し、その後道を踏み外しました笑。そういう環境だったせいなのか、男の矜持的なことをそれなりに意識しながら育ちました。なのでこういう仕事をしながら頭の片隅に"男は身なりにこだわらず、心構えだろ"というプレッシャーを保持しつつ(出来てるかどうかは別問題)暮らしております、いつも結構裏腹な心模様なのです笑。

チャラチャラしたり・大人ぶったり・脱力しすぎたりを繰り返しつつ40半ばになり、自分が装いを提案する仕事の中で、何を目指すべきなのかということがぼんやり見えてきました。

 以前の店舗のブログでもよく申し上げていたのですが、"オシャレ"が苦手です。こういうと「また〜、そんなひねくれて〜」という反応が返ってくるのですが、これは本当に正直な気持ち。オシャレとういう言葉は、おそらく"ファッショナブル"を柔らかく言い換えたモノだと思うのですが、、、そこは目指しておりません。Deweyはオシャレではなく"洒落てる"を目指したいと思います、それをご提案しようと思っております。

洒落=晒して抜け落ちる=頑張ってないということに。それが格好良いのではないでしょうかと。。

 

格好良い。"格好"とは、「これくらいの背格好」や「これだけやれば格好がつく」なんて使うように、頃合いが良いとか丁度良いとか、そんな感じの意味なわけです。

ということは"洒落てる"も"格好良い"も、力が抜けて自然体であるということになります。

ということは、それぞれ皆さんの魅力に寄り添う洋服をオススメするのがボクの仕事。肩に目一杯力を入れたり・我慢したりではなく、心の風通しの良い装い、しかしだらけるわけではなく大人としてのメリハリも。

ボクのセレクトや企画をご覧になって、「ベーシックで良いですよね」とお言葉を頂きます。もちろん褒め言葉として有り難く丸呑みしているのですが笑、更にあえてボクの感覚を被せて申し上げますと、"ベーシック"よりも"ノーマル"なのです、自分のノーマル、普通服。自分の普通なのでもちろん人其々ではありますが、ボクの感覚に寄り添ってくださる皆さんはその符号を好ましいと共感していただけると思います。また、ノーマルを引き立たせる為の遊び心もご提案する、それもボクの仕事でもありますので、その辺もご心配なくお任せください笑。

 

根本的なボクの感覚をご説明するとこんな感じです。

洋服の内容は、今後の日々の表の顔ブログやインスタをご覧いただければ、ってまあ...

この時点でこれを読んでる殆どの皆さんはお分かりいただいてますよね笑。有り難くも初めての方は、リンクから以前のお店(UNIT)のブログをご覧くださいませ。

 

そしてこの新しいお店"Dewey"の命名の由来について。

「なんて読むの?」「ややこしいなあ」「デヴィ夫人の綴りはDewi」、様々なコメントが寄せられております笑。

HPのアバウトに出典で借りている通り、哲学者ジョン・デューイ氏からお借りしてます。戦前辺り、アメリカのプラグマティズムの最終形を整えた、現代の教育学の生みの親的なすごい人物。アメリカでは切手にもなってるので、偉人の部類の人物だと思います。大学で教職課程を選択した方なら1度はテキストで見た名前だと思います。

ボクはこの人の唱える道具主義(哲学は机上でなく実践してナンボ、的な)という考え方が好きでこれはボクの好む洋服(生活)にも置き換えられる考え方だと思いました。

というのが本質的でもあり建前でもあるのですが、ここに至った経緯は偶然。

お店の名前もさることながら、「諸々動きやすくするために先ずは社名を作ろうよ、早く!」とお師匠(Pt.Alfred本江氏)に諭され、「いや、考えてるんですよ、でも理想ブリブリの名前にするのもなあと思いながら。。。橋口なのでブリッジですね、そこまでは決めてるのですが。」なんて言っておりました。そんな感じでふんわりぼんやり思い巡らせてたのですが、、「40半ば、仕事のキャリア的にも真ん中、出来る仕事も中くらい。あ?ブリッジ・ミドルワークスにしよ。」となり、「ん?待てよ、、、。」と思い当たるところがあり自分の書棚を探ると、

 

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デューイさんの伝記の中のタイトルでした。じゃあ、、Dewey借りちゃえ、お、字面も良いやん!!、はい決定。

しかし、、、まさか読み辛いと言われるとは、、、笑。

 

という事で、京都御所南のDewey、スタートしております。

 

それではまた次回。。。

よろしくお願いします。

こんばんは。

最初の投稿となります、Deweyの橋口漢児です。

現段階でこちらにお越しの方のほとんどは、少なくとも半年前にはボクのことをご存知の方だと思います。お久しぶりです笑。

そうではなく初めてにも関わらず開いて下さった方、初めてお目にかかります、見つけていただいて有難うございます。

 

先ず初めに。

こちらのブログを何故開設したかと申しますと、、、当社(当店)のHPにお店のお客様に向けてのブログがございまして、いわばそちらは他所行き笑。直近までのお店のブログ(HPのリンクから行けます)ではそういう住み分けはしていなかったので、どうしても説教臭くなってしまい笑、コアなファンの方には気に入っていただいてたのですが、商品だけ見たいという方は文字をほぼ読んでいないというお声をちょくちょくいただいておりました。だったら住み分けた方が面白いことをかけるのではないかと思い、ブログの銘柄も変えてやってみようという所に至りました。

ということで、こちらでは本音というか、無駄話というか、まさに枝葉末節、洋服とその周辺を初めに、ボクの好きなことも自由に書いて行こうと思います。

ボクにとってはちょっとした日記の意味合いを持つかもしれません。

 

お昼休憩や通勤途中(テレワークの方が増えたのでしょうか)、寝る前の暇つぶしにでもご覧いただければ幸いです。

兎にも角にも、よろしくお願い申し上げます。

 

次回は、、今遅々とした進み具合の内装のお話でもしようかと思います。